「整然と走る自転車が次々と校門に吸い込まれ、さわやかに制服を着こなした生徒たちが、立ち番指導の教師と挨拶を交わしながら校舎へ入っていく。大阪府立槻の木高校のいつもの登校風景だ。8時5分を境に人影はなくなり、やがて昇降口前は教師だけとなる。こうした生徒の様子は、地域から高い評価を受け、他県から視察に訪れる教育関係者も多い。」

 これは、ある大手教育情報誌が、そのシリーズ「指導変革の軌跡」の中で、創立10周年を迎えた本校を紹介した記事の冒頭です。生徒たちの凛とした姿勢をうまく表現していて嬉しく思います。この光景は、それからまた10年を過ごした槻の木高校の今に、確実に受け継がれています。

 本校は、平成15(2003)年、大阪府立島上高等学校と大阪府立高槻南高等学校を前身校とする全日制普通科単位制の高校として開校しました。

 校章は、無限を表すメビウスの円環に、「けやきの木(古名、槻の木)」を図案化したものを重ねています。「けやき」が大地にしっかりと根を下ろし、大空に向かって高くそびえ立つように、外界へと力強く羽ばたく人材を育成したいとの願いが込められています。また、メビウスの円環は「知恵」を象徴したものであり、無限の叡智と無限の可能性を追求する人間を育てることが本校の最大の目標であることを表しています。

 海外の教育学者ウィリアム・アーサー・ワードがこのような言葉を残しています。

〝平凡な教師は言って聞かせる。よい教師は説明する。優秀な教師はやってみせる。しかし、最高の教師は子どもの心に火をつける〟

 槻の木高校は、挨拶をする、時間を守る、身だしなみを整える、毎日机に向かって学習するなど、〝当たり前〟のことをあたりまえに実行する、そういう小さな努力を積み重ねる生徒たちを〝頑固に応援する〟学校です。

 槻の木高校は、自身を自らの力で伸ばし続ける生徒、自分の〝将来設計図〟を力強く描く意欲ある人材を育てる学校です。

 生徒たちを一つ上のステージへと押し上げ引き上げして、生徒の持てる能力を徹底して伸ばす学校であり続けたい。自身の夢の実現に向かって果敢に挑戦するよう、生徒たちの心に火を灯したい、それが私たち教職員の願いです。